ここでは,コンピュータビジョン向けライブラリ OpenCV のインストール手順を説明します.

目次

ダウンロード

OpenCV のインストール用パッケージは,SourceForge.net で公開されています.

この説明を書いた 2007-10-10 現在では,Windows 版,Linux 版ともに 1.0 が最新でした.

ソースの修正

インストール前に一部のソースを修正してビルドしなおしておくと,ライブラリの挙動を変えることができます.

PPM, PGM 画像をバイナリ形式で保存するように変更する

OpenCV で PPM, PGM 形式の画像を保存する場合,標準ではアスキー形式 (P2, P3) を使うようになっています. もし画像サイズを節約したい場合は,バイナリ形式 (P5, P6) で保存するようにしましょう. otherlibs/highgui/grfmt_pxm.cpp l.335 を以下のように修正しておくと,バイナリ形式を使うようになります.

bool isBinary = true;

これで,保存する PPM, PGM 画像のサイズが 1/3 ~ 1/4 くらいになります.

cvaux.h の文字化けを直す

cvaux/include/cvaux.h の l.1137 でコメント文が文字化けしています.コンパイルでエラーになる場合があるので(僕はなったことはないですが化けているままだと気持ちが悪いので),修正しておきましょう.

CvMemStorage*   storage;      /* storage for foreground_regions */              \

Linux へのインストール

パッケージの展開

ダウンロードしたパッケージを解凍・展開します.

$ tar xvzf opencv-1.0.0.tar.gz
$ cd opencv-1.0.0

インストール環境の設定

configure を使ってインストール環境を設定します.

$ ./configure

途中でエラーになった場合は,ビルドするために必要なライブラリが足りないということです.yum や apt などで不足物をインストールしてから,configure しなおします.apt なら libgtk2.0-dev を,yum なら gtk2-devel あたりをインストールすれば,必要なライブラリはだいたい揃います.

configure が成功すると,ビルドやインストールに必要な Makefile が生成されます.

ビルド

make を使って,ライブラリをビルドします.しばらく時間がかかります.

$ make

インストール

make を使って,作成したライブラリをしかるべき場所にコピーします.

$ sudo make install

ライブラリのパスの設定

OpenCV ライブラリの標準のインストールディレクトリ は /usr/loca/lib です. OpenCV を使ったプログラムを実行する場合,ここにライブラリのパスを通す必要があります. OS の標準の設定で通っている場合が多いですが,必要に応じて手動でパスを設定します.

パスの設定は,次の二つ方法で行うことができます.

ちなみに,/etc/ld.so.conf を変更した場合,次のコマンドで変更内容を反映させる必要があります.

$ sudo /sbin/ldconfig

pkg-config の設定

環境変数 PKG_CONFIG_PATH に /usr/local/lib/pkgconfig を追加します. bash や tcsh の場合は,次のコマンドで設定できます. 設定ファイル (.bashrc/.tcshrc) に書いておくと便利です.

(bash) $ export PKG_CONFIG_PATH=/usr/local/lib/pkgconfig:${PKG_CONFIG_PATH}
(tcsh) $ setenv PKG_CONFIG_PATH /usr/local/lib/pkgconfig:${PKG_CONFIG_PATH}

設定が成功すると,pkg-config コマンドでライブラリを使うためのフラグが取り出せるようになります.

$ pkg-config --cflags opencv
-I/usr/local/include/opencv

$ pkg-config --libs opencv
-L/usr/local/lib -lcxcore -lcv -lhighgui -lcvaux

コンパイルやリンクの際の記述がちょっと楽になります.

これで,Linux へのインストールは完了です.

Windows へのインストール

Windows の場合,インストーラにビルド済みのDLLが付いてくるので,ライブラリを自分でビルドする必要はありません(ビルドすることもできます). Linux より楽ちんです.

インストール

ダウンロードしてきた OpenCV_1.0.exe がインストールを行う実行ファイル(インストーラ)です. インストーラを実行して,インストール先やいくつかのオプションを設定すれば,その通りにファイルが展開されます. ウィザードは全て英語ですが,デフォルトの設定で特に問題ないので,分からない場合はさくさく進めましょう. これで,インストールはほぼ完了です.

あとは,OpenCV を使うためのいくつかの設定を行います. 以下では,インストールフォルダが C:\Program Files\OpenCV であるとして説明を進めます.

環境変数の設定

環境変数 Path に C:\Program Files\OpenCV\bin があることを確認します. デフォルトの設定ならインストール時に自動で追加されているはずですが,無ければ手動で追加します.

Visual Studio の設定

Visual Studio で OpenCV を利用したプログラムを作成する場合,次のような関連ファイルへのパスを設定する必要があります.

この設定は,以下の場所から行えます.

Visual C++ 6.0 の場合
[ツール] → [オプション...] → [ディレクトリ]
Visual Studio .NET 2003 の場合
[ツール] → [オプション...] → [Projects] → [VC++ ディレクトリ]

以上で,Windows へのインストールは完了です.